コラム

MVP開発とは?年間50件以上実施のBootによる進め方・事例を大紹介!

MVP(Minimum Viable Product)とは、プロダクトの最も重要な機能やコンテンツだけで作ったものです。例えば、SNSアプリを開発する場合、MVPは投稿やコメントなどの基本的な機能だけを持ったアプリになります。また、MVPは必ずしもアプリである必要はありません。スライドやワイヤーフレームなどの資料でプロダクトのイメージを伝えることもできます。

そのようなMVPを作成・開発する目的は、プロダクトを早く市場に出して、顧客の反応を見ることです。早期に顧客の声を聞いて、プロダクトを改善していくことで、より市場に求められるプロダクトを作ることができます。

このようなMVP開発は、新規事業の立ち上げにおいて有効なプロダクト開発の方法です。MVP開発のメリットは、以下の通りです。

  • 開発時間やコストを節約できる
  • 市場ニーズに素早く対応できる
  • 事業運営におけるリスクを低減できる

Boot株式会社は、新規事業の立ち上げにおけるシステム開発やMVP開発のパートナーとして、年間20社以上の企業と協業し、50件以上のMVP開発を行ってきました。弊社では、海外製のノーコードツールであるBubbleを用いて、高品質かつ低コストなMVP開発を提供しています。Bubbleは自由度や拡張性が高く、MVPだけでなく本格的なプロダクトも開発できるツールです。

今回は、Boot株式会社が実践しているMVP開発の具体的な方法や事例についてご紹介します。

MVP開発とは?目的とやらないとどうなるかを解説

MVP開発の目的

MVP(Minimum Viable Product)開発の目的は、先ほど述べた通り、最小限の労力でプロダクトを開発し、市場に投入して顧客の反応を確認できることです。これにより、開発リソースを最適に活用し、迅速に市場ニーズに対応できるプロダクトを作成することが可能になります。

逆にMVP開発を行わないとどうなる?

逆に、MVP開発を行わない場合、次のようなことが起こりえます。

開発時間やコストがかかる

MVP開発を行わない場合、多くの機能やコンテンツを実装する必要があります。これは、開発時間やコストがかかるだけでなく、プロダクトの品質やパフォーマンスにも影響する可能性があります。

市場ニーズに対応しづらいプロダクトになる

MVP開発を行わない場合、市場投入までに長い時間がかかります。その間に市場のニーズや競合の動向が変化する可能性があります。その結果、市場投入した時点で顧客のニーズに合わないプロダクトになってしまう可能性があります。

このようなデメリットを防ぐという意味でも、MVP開発は非常に重要な意義を持つといえるのではないでしょうか。

MVP開発のビジネス上のメリット

ここまででMVP開発の目的や重要さはわかってもらえましたか?

ここからは実際にMVP開発を行うことで得られる3つのメリットについて紹介していきます。

ユーザー視点でプロダクトの価値を最大化できる

MVP開発では、ユーザーのニーズに重点を置いてプロダクトを開発するため、プロダクトの価値が最大化されます。プロダクトの価値とは、プロダクトが顧客に提供する利益や満足感を指します。

ユーザーのニーズに応えるプロダクトは、顧客にとって魅力的であり、競合との差別化ができているプロダクトです。

また、ユーザーのニーズは市場の変化や競合の動向によって変わる可能性があります。そのため、MVP開発では、プロダクトの市場投入後に顧客からのフィードバックを収集し、プロダクトの改善に活かすことが非常に重要です。これにより、顧客満足度の向上やリピート利用率の増加が期待できます。

効率よく最適なプロダクトを開発・作成できる

最小限の機能でプロダクトを開発することで、開発時間やコストを削減できます。また、フィードバックを受けながら改善を繰り返すことで、より最適なプロダクトを効率よく作成することができます。

例えば、InstagramはMVPとして写真共有アプリを開発しましたが、その後フィードバックをもとにフィルターやストーリーなどの機能を追加していくことで、市場シェアの拡大などを進めてきました。

このようにして、MVP開発を通して効率よく最適なプロダクトの開発を進めていくことができます。

リスクを最小限に抑える

MVP開発では、早期に市場投入することで顧客の反応を確認し、そのフィードバックをもとにプロダクトを改善していくため、開発リスクを最小限に抑えることができます。

開発リスクとは、プロダクトが市場で失敗する可能性や、開発中に発生する課題やリスクです。例えば、市場ニーズに合わないプロダクトや品質の低いプロダクトは市場で受け入れられず、開発時間やコストが無駄になる可能性があります。また、開発中に技術的な問題や人的な問題が発生する可能性もあります。

これらのリスクを最小限に抑えるためにも、MVP開発として最低限の機能からの実装を行うことで、リスク発現の早期化を行い、対処法などを検討できます。

これらの理由からMVPはリスクを最小限に抑えることにも効果的だといえます。

MVP開発のステップバイステップガイド

ここからはMVP開発の進め方について紹介します。MVP開発のプロセスは、以下のようなステップが一般的です。

  • アイデアの検証と市場リサーチ
  • 要件定義とプロトタイプ設計
  • MVPの開発
  • ユーザーテストとフィードバック
  • 改善と繰り返し

MVP開発=システム開発として、ただ闇雲に開発を進めるのではなく、開発前の検証やリサーチも重要になってきます。

それぞれのプロセスの詳細を見ていきましょう。

STEP1:アイデアの検証と市場リサーチ

まず、自分が作りたいプロダクトのアイデアを具体的に考えていくところからはじめます。そして、そのアイデアに対して、市場にどんなニーズがあるか、どんな競合製品があるか、どんなターゲットユーザーがいるかなどを調べます。

この調査をすることで、自分のプロダクトが市場で受け入れられるかどうか、どんな価値を提供できるかどうかを事前に判断できます。

Boot株式会社では以下のような市場調査に関する記事も投稿しております。もしよければご一読ください。

STEP2:要件定義とプロトタイプ設計

市場調査で得られた情報をもとに、要件定義として、自社プロダクトが持つべき最低限の機能をリストアップします。このリストが、プロダクトの仕様書となります。

要件定義の注意点

MVP開発で要件定義を行う際には、以下のような注意点があります。

仮説検証に必要な機能だけに絞る

MVP開発では、仮説検証に必要な機能だけに絞り込むことが重要です。余分な機能は後回しにし、最小限のリソースで最短期間でMVPの開発を行うことが目的のためです。

ただし、時には「この機能もあったほうがいいのでは?」と思い、MVPでの機能を増やしたいということもあるかもしれません。そんな時にはしっかりとMVPの目的に立ち返ることが重要になります。MVPの目的はこれまでに述べた通り「最小限の労力でプロダクトを開発し、市場に投入して顧客の反応を確認すること」だったはずです。

この目的を達成するために追加したい機能は本当に必要か、改めて見直してみてください。

柔軟に変更できるようにする

MVP開発では、MVPを作成した後にユーザーテストやフィードバック収集を行い、改善点や追加機能を特定します。そのため、MVP開発における要件定義は、あまりに固定的なものとし過ぎるのではなく、時には柔軟に変更できるようにすることが必要です。

プロトタイプ設計

次に作成した仕様書に沿って、プロダクトの見た目や動きを模したプロトタイプを設計します。このプロトタイプの設計により、開発のゴールやスコープを明確にするだけでなく、開発チームとの共通言語の1つとなり、コミュニケーションの円滑化に寄与していきます。

STEP3:MVPの開発

仕様書とプロトタイプをもとに、MVP(最小限の製品)を開発します。この段階では、必要最低限の機能だけに集中し、開発時間やコストを節約します。MVP開発におすすめなツールはBubbleです。Bubbleは海外製のノーコードツールで、コーディング不要で高度な機能やデザインが実現できます。MVPだけでなく、将来的なプロダクト成長にも対応できるツールです。

定義された要件、並びにプロトタイプをもとに、MVPの開発に着手します。

この段階では、最小限の機能に絞り込み、開発リソースを効率的に活用することを前提として進めます。

時に開発をする中で、要件の変更をすべきかどうかなどが議論として出る場合もあるかと思います。そんな時は前項でも書いた通り、本来のMVPの目的に立ち返るようにしてみてください。

MVP開発でのおすすめツール:Bubble

Boot株式会社ではおすすめのMVP開発ツールとしてBubbleをあげています。

海外製のノーコードツールであり、他のノーコードツールと比較しても自由度、拡張性がより高いツールになります。

MVPの限界を超え、今後のプロダクト成長を視野に入れると、MVPを超える開発も可能であるため、開発手段として推奨しております。

公式サイト:https://bubble.io

STEP4:ユーザーテストとフィードバック

MVPが完成したら、ユーザーに試用してもらい、フィードバックを収集します。このフィードバックをもとに、プロダクトの改善点を特定し、繰り返し改善を行います。

その手順を簡単に紹介します。

ユーザーテストとフィードバックのプロセス

まず、MVPに必要最小限の機能を備えたら、実際にユーザーに使ってもらうことで、プロダクトの価値や魅力を検証します。

ユーザーからは、アンケートやインタビューなどの方法で、プロダクトの使い勝手や満足度などのフィードバックを収集していきます。

このフィードバックを分析して、プロダクトにどのような問題や改善点があるかを明らかにし、そして、改善点に対して、優先順位をつけて、具体的な改善策を考えます。

改善策を実行して、プロダクトの機能や品質を向上させます。

このように、ユーザーの声を聞きながら、繰り返しプロダクトを改善することで、ユーザーのニーズに合ったプロダクトを作り上げていきます。

次に、このようなプロセスの中でどのような点に気を付けるべきか、紹介していきます。

ユーザーテストとフィードバックの注意点

ユーザーから闇雲に意見を聞きすぎると、本当に改善すべきポイントが見えてこない場合があります。そうならないためにも、事前の質問リストの洗い出しが重要になると考えます。

例えば、「このプロダクトのよかったところ・悪かったところを教えてください」とオープンクエスチョンで聞くだけではなく、「このプロダクトの以下の点について、1-10点で評価をつけてください。またその理由も教えてください」というようなクローズドクエスチョン形式の設問を入れるとより効果的に自社プロダクトの改善すべきポイントが見えてくる場合もあります。

このような事前にどんな観点での声を聞きたいか、その質問形式はどういう形式だと回答者が答えやすい/もしくは我々がほしい答えを得られるかを考えておくことがポイントになります。

STEP5:改善と繰り返し

ユーザーフィードバックをもとに、プロダクトを改善し、再度ユーザーテストを行います。このプロセスを繰り返すことで、最適なプロダクトを開発することができます。

ただし、どこまでの改善を繰り返すか次第でかかる時間も変わってきます。時間をかければその分改善もできますが、それと同時に費用もその分かかってきます。

一方で早くプロダクトを市場に出すことで、競合他社に先行することや、より多くのユーザーからのフィードバックを得ることができますが、早すぎるとプロダクトの品質が低くなり、ユーザーの不満や離脱を招く可能性もあります。

したがって、MVP開発においては、改善の繰り返しと市場投入のタイミングのバランスを見極めることが重要です。そのためには、プロダクトの目標やビジョンを明確にし、ユーザーのニーズや市場の動向を常に把握することが必要です。またMVP実施前に、どこまでの費用をかけるかなども決めておくと実施か撤退かの基準を決めておき、判断をスムーズに行うことができるため、こちらもおすすめです。

MVP開発を成功させるためのポイント

MVP開発で、最小限の労力で最大のインパクトを実現する方法とは

MVP開発では、これまでにも述べた通り、最小限の機能やコンテンツでプロダクトを開発し、市場に投入して顧客の反応を確認し、プロダクトの改善に活かすことが目的です。

このプロセスを効果的に行うためには、以下のポイントが重要だとBoot株式会社では考えています。

  • スモールスタートを意識する
  • アジャイル開発を取り入れる
  • ユーザーニーズを正しく理解する

それぞれについて解説していきます。

スモールスタートを意識する

MVP開発では、最初から大規模なプロジェクトを立ち上げるのではなく、小さく始めて徐々にスケールアップしていくことが重要です。スモールスタートを意識することで、開発リスクを抑えながら効率的にプロダクトを進化させることができます。また、市場投入までの時間を短縮することで、早期に顧客の反応を得ることができます。

アジャイル開発を取り入れる

アジャイル開発は、柔軟性とスピードを重視した開発手法です。MVP開発にアジャイル開発を取り入れることで、迅速に市場ニーズに対応できるプロダクトを開発することが可能になります。

アジャイル開発とは、柔軟性とスピードを重視した開発手法です。

アジャイル開発では、短いサイクルでプロダクトを開発し、フィードバックを受けて改善していきます。

アジャイル開発を取り入れることで、迅速に市場ニーズに対応できるプロダクトを開発することが可能になります。また、チームでのコミュニケーションや協働も促進されます。 

ユーザーニーズを正しく理解する

MVP開発の成功の鍵は、ユーザーニーズを正しく理解し、それに基づいてプロダクトを開発することです。顧客の声を収集し、それをプロダクトの改善に活かすことで、ユーザー満足度を向上させることができます。

MVP開発の成功の鍵は、ユーザーニーズを正しく理解し、それに基づいてプロダクトを開発することです。ユーザーニーズとは、顧客がプロダクトに求める価値や解決したい課題のことを指し、ユーザーニーズの理解には、顧客の声を収集し、分析し、仮説を検証することが必要になります。

ユーザーニーズに応えるプロダクトを開発することで、市場での競争力や顧客満足度を高めることができるため、常にユーザーの声をもとに市場調査を行い続ける姿勢もまた重要になってきます。

MVP開発の具体例と事例

Boot株式会社ではこれまでに様々な企業様と協働するなど、多々のMVP開発に取り組んでまいりました。その事例の一部をご紹介したいと思います。

事例1:人材スタートアップ企業のWebアプリ開発

株式会社Diaryの『しゅんダイアリードットコム』を、アプリ開発ツールBubbleを用いてシステム開発、MVP開発を行いました。1ヶ月による短期開発を行い、毎週の開発定例を置き修正を繰り返し行いました。新規施策や、UIデザインの修正などアジャイル的に開発を行い、プロダクト品質を向上してきました。

しゅんダイアリードットコム:https://shundiary.com

事例2:コンサルティングファームのリサーチツール

現在ChatGPTが注目されており、社内ツールの導入が進んできています。しかしChatGPTが提供するAPIにも制限があり、AI使用の社内ツールが確立していないため、コンサルのリサーチツールとして、簡易的にMVPとして開発しました。今後のAI成長を踏まえて実験的に開発を進め、AIが技術的に進化した際、社内規則が決まった際に本格導入できるようMVP改善を行っていきます。

ChatGPT(GPT-4)公式サイト:https://openai.com/product/gpt-4

まとめ:MVP開発は効果的なプロダクト開発の鍵

ここまでMVP開発の目的や進め方、事例などをご紹介させていただきました。

簡単にこれまでの内容で最も重要なことを以下にまとめさせていただきます。

効率的なプロセスでインパクトを最大化

MVP開発は、効率的なプロセスを通じてインパクトを最大化することができます。最小限の機能を実装し、市場投入後にフィードバックを受けて改善を繰り返すことで、ユーザーニーズに合ったプロダクトを効果的に開発することができます。

ユーザーニーズにフォーカスすることの重要性

MVP開発では、ユーザーニーズに焦点を当てることが重要です。顧客の要望やニーズを理解し、それに応じたプロダクト開発を行うことで、市場での成功率が高まります。

MVP開発のスキルを磨くことで、成功への道を切り開く

MVP開発のスキルを磨くことで、新規ビジネスやスタートアップが成功への道を切り開くことができます。MVP開発のプロセスを理解し、効果的な戦略を実行することで、競争力のあるプロダクトを市場に投入することができます。

MVP開発を検討中の経営者様・企画担当者様へ|MVP開発で持つべきマインドセットについて

ここまで本記事を読んでいただきありがとうございました。皆さんの中でMVP開発に関するご理解、少しは深まりましたでしょうか?

最後になりますが、ここまでの内容と一部重複しますが、我々Boot株式会社がMVP開発における経験から、さらに3つだけ前提として持っておいていただきたいマインドセットをご紹介させていただきます。

皆さんのMVP開発に対して少しでもお役に立てば幸いです。

アイデアの検証と市場リサーチを徹底する

MVP開発を行う前に、アイデアの検証と市場リサーチを徹底的に行うことが重要です。これにより、プロダクトが市場で成功する可能性を事前に評価でき、開発リソースの無駄を避けることができます。

チームでのコミュニケーションを重視する

MVP開発では、チームでのコミュニケーションが非常に重要です。プロジェクトの目標や進捗を共有し、チームメンバーが一丸となって取り組むことで、効率的な開発が可能になります。

継続的な改善と学習の姿勢を持つ

MVP開発は、継続的な改善と学習のプロセスです。ユーザーフィードバックを受け入れ、プロダクトを改善する姿勢を持ち続けることで、市場での競争力を持続的に高めることができます。

MVP開発で困ったら是非Boot株式会社にご相談を!

末筆にはなりますが、弊社Boot株式会社は、年間20社以上の新規事業におけるシステム開発やMVP開発を行ってきています。

新規事業における開発やMVP開発について、もし本記事をきっかけにご興味やご相談などございましたらお気軽にお声掛けください。

最低限のコストで最大の成果が出せるアドバイスをさせていただければと思います。

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